2019年10月

介護サービスの総量規制。「Sensin NAVI NO.209」

  • 2019.10.22
  • 高齢者福祉
  • Posted by | sensin

皆様こんにちは、ブロガーのMるでございます。

今回お届けするSensin NAVIですが、「レッスンその209」となります。

 

 

 

 

・・・今回のお題は!

 

 

 

 

ばばん!

介護保険制度におけるサービスの総量規制について お送りします!

 

 

 

 

 

 

 

「送料規制?なんだか難しそうな内容ね・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

「送料ではなく、総量ですよ。全体の数量を指す言葉です」

 

 

 

 

 

 

 

 

「総量規制。つまりは行政主導のもとに行う数量の規制なわけだ・・、ふん!」

 

 

 

 

 

 

なるほどなるほどなるほどね~

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんか聞いたことのあるフレーズだな・・原西か?

*・・・というか、久しぶりに出てきたな。

 

 

 

 

 

 

 

さて・・・以前もご紹介したことのあります介護サービスの総量規制。

 

一般的に特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの施設整備、そして地域密着型サービスの事業を運営するには、各市町の介護保険事業計画に基づく整備計画に沿う必要があります。大半公募での選定がその前提となりますが、この総量規制については、実はそれ以外のサービスも適用される場合もあります。

 

 

それが、介護保険法第70条第10項に基づく「市町村協議制」。

 

これは都道府県の視点権限のある事業に対し、事前に市町村と協議を行い、市町村の意向に沿った指定拒否をするか、指定に際して条件付けをすることを認めるもの。細かな条文説明はさておき、要するに都道府県指定の事業に対し、一定の制約を設けることができるというもの。

ただしこの協議を行う条件が前記条文に記されており、

当該市町村に「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」、「小規模多機能型居宅介護」及び「複合型サービス」のうち、どれかが所在する場合には、「訪問介護」又は「通所介護」等の量が市町村介護保険事業計画で定める見込量に既に達したとき等の合理的理由がある場合は、市町村が都道府県に対し、「訪問介護」又は「通所介護」に係る指定居宅サービス事業者の指定又はその更新について、「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」、「小規模多機能型居宅介護」及び「複合型サービス」の見込量を確保するために必要な協議を求めることができるとされています。

 

 

この「市町村協議制」による総量規制は、三重県内においても前例がすでにあります。

現状県内2市がその総量規制を発動しているわけですが、その協議を経て、市内の通所介護の新規指定を制限することに至っています。

 

 

 

 

地域密着型サービスは、地域包括ケアシステムの構築には欠かせないとされています。

しかしながら、地域によってはなかなかその事業数が伸びないのがこのサービスです。

その理由として、従来型の通所介護や訪問介護事業所の数が、市町村の見込み量以上に充足していること。見込み量以上にそうしたサービスが点在することで、利用者確保が難しくなります。また、サービスに不可欠な介護職員の確保も同時に難しくなり、人員配置が比較的厳しい地域密着型サービスの参入には消極的になってしまうのが現状と言えます。

その為事業者数が増えず、市町村の見込み量に達しない実情から、各市町村はその充足とサービスの拡充を目的に、都道府県が指定する通所介護・訪問介護の新規指定に対する制限を行うに至ったと推測されます。

 

 

 

こうした制限を目的に市町村協議制を申し出た市町村では、実質新規の通所介護や訪問介護は参入不可能となり、

どうしても事業展開したいのであれば、

通所介護ではなく、小規模多機能型居宅介護を、訪問介護ではなく定期巡回・随時対応型訪問介護看護をということになるわけです。

 

このように、市町村協議制を活用した訪問介護や通所介護の事業指定制限は、今後ますます増えていくと予測されます。

三重県では現状2つの市で適用されていることになりますが、

県内を見渡すかぎり、定期巡回・随時対応型訪問介護看護をはじめとした地域密着型サービスはなかなか整備されていません。

過疎地はもちろん、県内の都市部においても同様で、こうしたサービスの拡充を実現する上でも、ほかの市町でも充分考えられることと言えます。

今回のお話では、訪問介護と通所介護を主な焦点としていますが、サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームも決して例外ではないはず。

 

 

 

特別養護老人ホームの待機者問題から、半ば国主導でその整備が積極的に推進されてきたこれら高齢者の新たな住まい。

制度上の縛りがほかの介護保険施設とくらべても緩く、多くの企業がこれまでの参入しています。

しかしながら一方で、特別養護老人ホームの待機者の減少、そしてそれらを担う介護職員不足も避けられない課題となっています。

 

 

 

こうした実情の中、近い将来サービス付き高齢者向け住宅をはじめとした住まいに対する総量規制も予想されています。

 

果たした今後の展開は!?介護保険法の改正も含め、ますますその動向には目が離せません。

 

・・以上!介護保険制度におけるサービスの総量規制についてをお送りしました。

 

 

 

 

 

 

それではまた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「介護保険サービスは、その需要と供給のバランスが大切だ。どちらが優れていても、不足していても駄目と言うこと。

その絶対比が崩れるようであっては、真(まこと)の福祉にはたどり着けることはない。

だからこそ、こうした規制も止む無しと考えるべきだな・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あんたにも総量規制が必要ね(汗)」