「特例入所」とは。「Sensin NAVI NO.151」
- 2019.06.07
- 高齢者福祉
- sensin
皆様こんにちは、ブロガーことMるでございます。
今回お届けするSensin NAVIですが、「レッスンその151」となります。
今回のお題は・・・・
今回は!
特別養護老人ホーム(=介護老人福祉施設)の特例入所について紹介します。
「特例入所?」
「はい、前々回の法改正にて設けられたものですよ」
「特別養護老人ホームの入所基準が見直され、基本要介護度3以上が限定されたわけですが、一方でその例外として設定されたのがこの特例入所です」
「意外と知ってるじゃない!?」
「いやいや、まだまだですよ」
・・・(汗)というわけで、ここからは「本番」です。
まずはその特別養護老人ホームですが、最近は一般的に介護保険施設としての認識が強くなっていますが、特別養護老人ホームは2000年の介護保険法施行以前から存在するサービス。
老人福祉法第11条に基づく市町村による入所措置の対象施設となっており、法律の条文等でも特別養護老人ホーム(通称:特養)として表記されています。
一方の介護老人福祉施設は、介護保険法に基づいて介護保険が適用される介護サービスを手掛ける施設=特別養護老人ホームとして位置づけられたもの。
一般的に「特養」と表現することが多いのも、以前からの通称が色濃く残っているからと言えます。
いわゆる第1種社会福祉事業に分類され、行政のほか一定の法人格しか運営できない事業として位置付けられています。
‥さて、本題の特別養護老人ホームの入所条件ですが、平成27年の法改正にて大きく見直しが図られています。
現在は基本、
①65歳、要介護度3以上の人
②特定疾病認定を受けている40歳以上の人
③特例入所条件に該当する人
‥とされており、本当に介護が必要な緊急性の高い人から順に入所できるようになっています。
その一方で、これまで要介護認定の低い方でも入所できた状況が見直されたことで、全国のたくさんの特養待機者が解消され、逆に空室といった部屋が空いているといった特養が全国的に発生しているよう。
ほかにももちろん根本的な介護人材不足のほか、重度者を多く受け入れることで対応が困難になったなどの理由で、受け入れ自体の制限をせざる得ないところもあるそうです。
しかしながら、要介護度1や2の方は全く入所することができないのか。
‥決してそうではありません。
要介護度1~2に方でも、やむを得ない事情により、指定介護老人福祉施設以外での生活が著しく困難であると認められる場合、特例的に指定介護老人福祉施設への入所を認められることになっています。
それが前述した③の「特例入所」。
この特例入所ですが、
①認知症であり、在宅生活が困難な状態である
②知的障がい・精神障がいを伴い、在宅生活が困難な状態である
③虐待されているなど、心身の安全・安心の確保が困難である
④家族や地域からの介護サービスや生活支援が十分に受けられず、在宅生活が困難な状態である
・・・といった要件が設けられており、単に要介護度だけに捉われず、その方の状態や状況に応じて入所することができるのがこの「特例入所」となります。
ただし、特例入所として事業所が認める場合には、一定の書式による記録等が必要で、保険者への提出を求められたりします。さらに事業所側は、特例入所対象者に該当するか否かを判断するにあたっては保険者に意見(情報提供等)を求めることができるようにもなっています。
これら手続きや方法等については、事業所の所在地のある保険者にてその見解等は若干異なることから、このような事例が発生した場合には、まずは保険者への報告・相談をすべきかと考えます。
しかしながら、実際に「特例入所」で利用につながったケースは比較的少ないようです。特例的に入所できる仕組みはあるも、基本的には要介護度3以上を前提にしていることには変わりありません。
ちなみに補足までに、
特養においてはこれまでお話ししました入所要件のほか、「やむを得ない事由による措置」といった形で入所できる仕組みがあります。
平成12年度の介護保険制度導入により、介護サービスの提供の仕組みが措置から契約 に変更となりました。
‥ですが一方で高齢者虐待への対応本人の心身等生命に関わる状況など、適切かつ迅速な公的サービスが提供する必要がある場合があります。
老人福祉法に規定されている「やむを得ない事由 による措置」は、そういった状況に対応するために設けられたもので、サービス利用契約を結ぶ能力のない認知症の方の権利擁護を図るためには、区市町村 がその方の状況を適切に見極め、措置を適用していくことが求められています。
そのやむを得ない事由による措置ですが、
主に虐待等の理由により、必要な介護サー ビスの提供を受けることが著しく困難な65歳以上の高齢者を対象に、区市町村長の職権をもって介護サービスの利用に結びつけるものを言います。
そしてここで!
その「やむを得ない事由」についてご説明します。
①本人がご家族等から虐待又は無視を受けている場合
②認知症その他の理由により意思能力が乏しく、かつ、本人を代理するご家族等がいない場合
‥等が想定されています。
また、やむを得ない事由による措置については、緊急の対応が必要となる場合が想定される ことから、施設において措置を受け入れることにより、定員を超過する場合には、介護報酬における減算対象からの除外することが可能となっており、事業者側も柔軟性をもって対応できる仕組みが設けられています。
なお、この規定はあくまで一時的なもの。
できるかぎり速やかに超過の状態を解消するほか、措置後は成年後見制度の活用やご家族等の支援などの必要な働きかけを行い、例えば措置から契約への切り替えを進めていくことも必要と言えます。
最後に特別養護老人ホームでは、こうした市町村による措置入所のほか、
災害等の緊急時の受け入れの際においてもその減算対象から除外されたりします。
そして地域の拠点として、また社会資源のひとつとして大いに期待されているのがこの特別養護老人ホームです。
とりわけ、昨今の地域包括ケアシステムの構築では、地域の「要」のひとつとしても位置づけられており、その機能性と柔軟性にさらなる期待が懸けられていることには違いありません。
それではまた。
「なるほどね・・・」
「事業ひとつとっても、色々な役割や機能があるのね」
「そのとおり!」
それではまた。
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