2020年7月

車窓から・・・再びvol.2

  • 2020.07.06
  • 児童福祉
  • Posted by | sensin

保育事業部の古林です。
早いもので、車で各園の巡回を始めて、3か月が経ちました。
園のまわっていると、子どもたちの毎日の園生活の中の、ある一瞬の場面に出会います。
常に一緒にいるわけではないけれど、だからこそ見えることもあって、帰りの車を運転しながら、その光景を思い起こしてはにんまりすることもしばしばです。
そんな日々の中から、「子どもの心に寄り添う」ことの大切さについてのエピソードを紹介したいと思います。

 

 

 

 

ある日のこと、5歳児のAくんがしょんぼりとテラスに座っていました。
「どうしたの?」と尋ねると、靴を投げて、取れないところに飛んで行ってしまったのだそうです。隣に座った私は、「えらいことになったね。今日、お迎えに来てもらったとき、靴がないけどどうする?お母さんにおんぶしてもらおうか?」と言いました。

 

 

 

するとAくんは、「ママは荷物を持って妹の手を繫がなあかんで、僕をおんぶしたら重すぎて大変すぎる。」と、お母さんを気遣う言葉を発したのです。

私は、「Aくん、すごく優しいなあ。そんなこと思ってくれてること知ったら、お母さん、うれしいやろなあ・・・ところで、どうして靴なげたん?」と、それまで頑なにだんまりを続けていたというAくんに問いかけました。Aくんはぼそぼそと話し始めました。

 

 

話は昨日に遡ります。園庭で玩具の取り合いをし、友達に手を出してしまったAくん。先生にも注意され、帰りにお母さんにも怒られ・・・今日もまたけんかになって友達に手を出してしまいそうになった時、ダメ!っとぐっと我慢し、自分の靴を人のいないところに投げら、手の届かない遠いところまで飛んで行ってしまったのだそうです。
私は思わず、「Aくん、我慢したんや!えらかったなあ。」と頭を撫でました。そして、「偉かったけど、投げた場所が悪かったなあ。地面やったら拾えたのになあ。でも、我慢できたことはとってもえらたったよ。」と言って、靴をとってきてA君に渡しました。

 

 

その日のお迎えの時、園長からAくんのお母さんにこのエピソードを話し、Aくんはお母さんのことがとっても大好きで、とっても優しいと、伝えると、お母さんは涙を流し、「仕事も忙しく、妹にも手がかかり、Aくんには怒ってばかりだった。Aくんもまだまだ甘えたかったんでしょうね。」と話され、妹とAくんの手をしっかり繋いで帰られたそうです。

 

 

私たち大人は、ともすれば目に入った行動や表面的な言動でその子を判断しがちですが、子どもの言動には必ず理由があります。その言動の裏側に隠れた、小さな心の動きや気持ちをしっかり受け止め、寄り添っていくことが大切だと、改めて感じました。

 

 

 

       

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