2020年3月

地域包括ケア病棟とは?「Sensin NAVI NO.296」

  • 2020.03.29
  • 医療
  • Posted by | sensin

皆様こんにちは、ブロガーのMるでございます。

今回お届けするSensin NAVIですが、「レッスンその296」となります。

 

 

 

 

 

・・・今回のお題は!地域包括ケア病棟とは?をお送りします!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?どういうことかしら・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「地域包括システムの要のひとつだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうね。これからの地域にとって、大切なサービスのひとつよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*あれ、誰だっけ?なんかよく近くで見かけるよ~な・・。

 

さて、そんな地域包括ケア病棟とは?について。

 

「地域包括ケア病棟」は、2014年の診療報酬改定で新設された病棟のこと。

いわゆる在宅復帰を増やすために作られたもので、在宅療養の数を増やすことも同時にその目的とされています。その為、病棟では在宅復帰を目標にし、入院患者が自宅に帰れるよう様々な支援を行うます。基本的に、急性期病棟の在院日数の平均は2週間前後とされており、長くても1ヶ月程度で退院する必要があります。
しかしながら、例え急性期での治療が終了し、状態が安定していたとしても、患者全員がすぐに自宅に戻れるわけではありません
中にはもう少し継続的に治療が必要なこともありますし、また入院生活にて身体の状態が著しく低下したことで、リハビリテーションが必要な場合もあるかと思います。

そのような患者への支援として設けられたのがこの病棟で、まずは地域包括ケア病棟に入院し、自宅へ戻るための準備をするわけです。

 

 

 

・・・ではここで、その「地域包括ケア病棟」について詳しく紹介していきます。

まずは円滑な在宅復帰を支援すべく、専任の在宅復帰支援担当者が1名以上配置されます。また、常勤のPTまたはOT、STにて、リハビリが必要な患者に1日2単位以上提供することになります。ほかにももちろん細かい項目が厚生労働省によって決められてますが、やはり前提にあるには在宅復帰と在宅療養に向けたアプローチ。
地域包括ケア病棟を持つ病院は、緊急入院に対応できる病院であることが基準上定められています。

 

その施設基準については以下の4点となります。*次の4つのいずれかの病院である必要があるとされています。

・在宅療養支援病院
・在宅療養後方支援病院
・第二次救急医療機関
・症例に基づき認定された救急病院

 

 

この中の在宅療養支援病院とは、24時間往診ができ、いつでも在宅患者の入院を受け入れられる病院のことを言います。

地域包括ケア病棟の診療報酬については、検査や治療内容などで左右されるものでなく、基本的な考えは診療報酬として包括化されています。ですが、この地域包括ケア病棟では、診療報酬として入院料1(2,558点)と入院料2(2058点)の2種類が設定されています。

この違いについて、簡単に言うとその病室の面積が異なるのと、在宅復帰をいかに実施しているかの割合で変化します。

地域包括ケア病棟入院料1は、在宅復帰率が70%以上で、病室の床面積が患者1人当たり6.4㎡以上であることで、この条件が満たされていない病棟については、地域包括ケア病棟入院料2というわけです。無論、病棟のstaffは、診療報酬の高い70%以上の在宅復帰を目指すわけですが、地域性や患者のニーズなどによってなかなかそう容易ではないようです。

 

 

 

 

 

 

 

「介護保険施設のひとつ、介護老人保健施設に少し似ていますね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「確かに似てはいるけど・・・」軽いなぁ・・

 

・・・さて、そんな地域包括ケア病棟の役割ですが、先述したよ~に在宅復帰と同様、自宅での療養支援です。

患者とご家族が自宅で安心して療養できるように支援するのが、この地域包括ケア病棟というわけです。

こういった役割と目的から、病棟では大きく二つの受け入れ方が存在します。

それが、「急性期病棟」或いは「在宅」からの受け入れ。

 

 

 

 

 

 

 

まず、急性期病棟から転院してきた患者が非常に多いのが特徴です。急性期での治療は終了しても、まだ継続的な治療やリハビリが必要だったり、あるいはご家族の受け入れ態勢が整っていないことから、すぐには自宅へ戻れない場合が想定されます。

そうした場合に、一度この病棟を経由し、速やかな在宅復帰を目指すというわけです。

この地域包括ケア病棟の入院期間は「60日間以内」とされており、その期間内に、在宅復帰の為の準備を整え、患者とそのご家族に対する様々な支援を行っていきます。

 

 

 

 

 

次にもうひとつ!それは在宅からの受け入れとなります。

自宅療養をしている患者に対する入院先として、地域包括ケア病棟を活用します。自宅療養されている本人やご家族にとっても大事な医療資源として、その活躍が期待されています。また、地域包括ケア病棟はレスパイト入院を受け入れているところが多いのも特徴のひとつ。ご家族が療養の世話に疲れた時に、地域包括ケア病棟で入院を受け入れてくれるシステムのことを言います。介護保険制度にも短期入所生活介護や短期入所療養介護といった介護保険サービスによるレスパイト利用もありますが、提供すべき医療度によってはなかなか利用できないのが現状です。これらのサービスには、看護師等医療スタッフの配置はあるも、夜間を含めた常時が困難だったり、医療的処置の難しさから、事業所側も敬遠せざるを得ない現実があるようです。

・・・そういったニーズに応えるべく登場したのがこの地域包括ケア病棟で、創設以降着実にその病床数は増加していっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・最後に、この地域包括ケア病棟には様々な役割や期待がある一方、膨大化する医療費への防止策としても、少なからず考えられています。

高齢者の急増と共に医療費は増大し、今や国の大きな課題のひとつとなっています。

その医療費を削減するためには、 「入院日数をできるだけ短くし、自宅での療養を推進すること」。

 

 

入院期間に上限がない療養病床を削減し、かつ入院期間を定めた在宅復帰前提の病棟を誕生させたわけです。
しかしながら、国のこうした財政事情も多分にあるとはいえ、地域包括ケア病棟を利用する患者にとって、そしてそのご家族にとってのメリットも少なくはないはずです。

例えば急性期病棟を退院する際に、自宅に戻るのは難しい場合の選択肢として、療養型病棟での長期入院、介護施設への入所・入居以外に、自宅療養を前提とした地域包括ケア病棟への入院も考えられるわけです。・・そして先述した、在宅療養を行う上での新たな医療サービスとして、またレスパイト入院としての活用など、これからの地域にとって大切な資源になるはずです。

地域包括ケアシステムでは、在宅療養及び医療の強化を図る上でも、こうした地域包括ケア病棟の位置づけを強調しています。また、こうした医療サービスと、様々な福祉サービスとの接点や繋がりも重要視しています。まさに地域における「医療と福祉の連携」であり、それをいかに地域ごとに実践していくのかが求められています。

これからは、医療と福祉が決して縦割りでなく、また横軸でもなく、いち共同体であることが重要視とされています。

そして地域の中でそれをいかに根付かせていくことができるのか、医療や福祉に携わるものとして、これからも前向きに取り組んでいく必要があると言えます。

 

 

 

 

・・以上、そんな地域包括ケア病棟とは?をお送りしました。

それではまた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とても勉強になったわ」

       

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