2018年4月

総合事業と居宅介護支援。「Sensin NAVI NO.76」

  • 2018.04.28
  • 高齢者福祉
  • Posted by | sensin

皆様こんにちは、ブロガーのMるでございます。

今回お届けするSensin NAVIですが、「レッスンその76」となります。

 

 

さて、この度介護保険法が改正されたわけですが、今回の改正でも新たな加算や共生型サービスの創設のほか、事業に係る運営基準等も多々見直しが図られています。

また、各市が実施する総合事業についても、完全移行された年度でもあります。

皆様はこの総合事業をご存知でしょうか。

なにをいまさら?と思われる方もみえるかと思いますが、

改めてその理解を深めるという意味でご説明したいと思います。

いわゆる総合事業は略称であり、本来の名称は「介護予防・日常生活支援総合事業」のこと。

 

去ること前回の平成27年4月の介護保険制度改正により、要支援1または要支援2の方が利用される介護予防訪問介護(ホームヘルパー)及び介護予防通所介護(デイサービス)については、新たに市が実施する介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)の「介護予防・生活支援サービス事業」に移行することとなりました。

ただし、移行については経過措置、いわゆる移行期間として平成30年3月31日がその最終期限として設定されました。

 

 

この移行期間を経て、晴れてこの4月より完全移行され、従前の介護予防の訪問介護と通所介護はその役目を終え、現在はすべて市で総合事業として生まれ変わり実施されています。

この総合事業は、もちろん旧介護予防の制度を踏襲したものとなっていますが、旧介護予防相当の「現行サービス」のほか、事業者の人員配置や設備等を若干緩和した独自のサービスも提供できる仕組みとなっています。単価や回数等を独自設定した「緩和サービス」や栄養・認知症予防・リハビリテーションに特化した新たな通所型サービスなど、各市によってそれぞれの地域性やニーズに合わせた独自サービスが生まれています。

 

しかしながら、事業を実施もしくは利用される際に、頭をひねる必要があるのがご利用される方が「別の住所地」であった場合の取り扱い。

 

これまでは、市や県を跨いでもサービスを受けることができましたが、この総合事業はあくまで「市」の事業。つまりA市で総合事業を運営している事業所を、B市に住所地がある方がご利用される場合は、そのA市にある事業所がB市の総合事業の指定を受けなければ利用できないことになっています。

指定にはその書類の提出から一ヶ月以上要すること、また別の市の総合事業なので請求コードや単価等も異なることから、事業所側はくれぐれも注意しなければなりません。

特にそれぞれの市の境に位置する事業所は要注意といえます。

 

ご利用者の選択の幅、そして個々のニーズに合わせた細かなサービス設定等、確かに「質」の観点からは拡充されたように思えますが、一方でそれをまとめる行政や実際の事業者側としてはどうでしょうか。

先ほどの住所地による取扱いもそうですが、以前のSENSIN NAVEでも何度か懸念していたように、「制度に追いついていない」「制度をなかなか理解できない」といった点です。

特に居宅系のケアマネジャーについては、これら地域に点在する多種多様化したサービスを十分に理解した上でのマネジメントが必要であることから、ますます個々の資質が問われることになりそう。

さらに、訪問介護や通所介護等の各居宅系サービスの事業所についても、その運営と管理を行うためにも、各総合事業の在り方や役割、機能についても十分熟知しておかなければならないといえます。

また、行政としてもこれまで認知症対応型グループホームや小規模多機能型居宅介護など、いわゆる地域密着型サービスを主に指定権者としての役割を担っていましたが、総合事業の本格的始動、そしてこの4月には、ケアマネジャーを有する居宅介護支援事業所もそれぞれの市へ指定権者が移行されました。

 

これらの動きの背景には、国が推奨する地域包括ケアシステムの構築に向けたものといえます。

それぞれの地域が抱える様々な福祉ニーズ、それら必要な資源やサービスを展開していく上でも、その中核として期待されるのはやはり行政の存在。もちろん地域の様々な社会資源や各自治会など、地域のマンパワーはその前提ですが、それぞれの地域の行政による積極的な働きかけや協力が「鍵」となるように感じます。

そしてこれらを上手く結びつけ、それを地域で展開できるよう、個々のマネジメントを実務とするケアマネジャーと行政との距離を、今まで以上に近づけるねらいも大きくあるように思えます。

わたしたち社会福祉法人も、各地域の行政担当者の皆様と二人三脚、地域の皆様の支えとなるよう努めていく必要があるといえます。

 

 

それではまた。

 

       

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