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2年目のジンクス


01-02「丁寧、迅速、優しい、何でもできる・・・」
入社2年目の中林康博の評価は概ね悪くない。
周囲の先輩たちや上司も中林の仕事ぶりに、そして将来に期待し、目を細めるばかりだった。
あの時までは・・・

「スポーツでは2年目のジンクスとか言いますが、もしかしたら自分は今それかもしれません。」
と中林は言う。
「入社した時から早く一人前になりたいと思っていたので、与えられた仕事は全力でこなしました。それが評価され、またひとつまかされて・・・というのが嬉しかったし。」

編集部 「2年目を迎えるにあたっては、益々やろうと思ってた?

「それはもう、頑張ろうと思ってましたよ。でも今思えばなんですが、初年度の謙虚さは無くなっていたように思います。」

編集部 「謙虚さが無いとは?」

「年度の初めの4月に、仕事の役割分担と法人の委員会を決めるのですが、所属している通所事業での僕の役割は“送迎担当”に決まりました。委員会は“夏夜祭”になりました。送迎担当は大変な仕事で、通所事業の肝である送迎~1日120名の方がスムーズに豊壽園に来れて、そして安全にお帰りいただく~を組まなくてはなりせん。頭も使うし気も使いますが、半ば自ら志願しました。夏夜祭は、洗心福祉会の津地区事業所の、年に一度の大きなイベントです。これも望むところだって感じでした。ちなみに送迎担当と夏夜祭実行委員の組み合わせは、過去にもやられたことがある先輩がいたので、それならってことで実行委員長をやることになって・・・」

編集部 「それは大変だ!」

「そうです。でも大変なのに謙虚じゃなかった。施設長に「大丈夫?」って言われていたんですが、「大丈夫です!何なら2回分やりますよ!」って答えてしまってたんです。あの先輩にやれるんだから、自分に出来ないハズがないと。今思うと、あれは勢いはいいけど、謙虚じゃなかったなあ。思い上がりだったのかもしれません。」

その数日後、彼は仕事で大きな失敗をしてしまう・・・

「あの時は、本当にもうダメだと思いました。自分のしたことに呆然としてしまいました。自分では処理できることがひとつもなかったので、特に・・・。
その日は家に帰ってから、も落ち込むというより抜け殻のようになってしまって。ところがその夜、直属の上司、八木SLからメールをいただいたんです。

『俺は、人間の宝物は経験だと思っている。ミスを重ねることで精神的にも鍛えられるし、知識もつく。今回のミスはまだまだ取り返すことができる失敗だ。全然やり直しのきくミスだから、後悔の意識を持つのではなく、本当に自分は運がいいと思うようにしよう!』

「このメールで何とか持ちこたえたって感じです。すごくありがたかったです。今でもそのメールは残しています。もう一つ、これは後で知ったのですが、失敗した業務も含めて、次の日から僕は業務を制限されたりはしなかったということです。とても大きな失敗だったので、業務を制限されても仕方ないのですが、今までどおりにやらせることが僕には一番よい反省になるのだと、周りのみんなは判断してくださったようです。」
編集部 「2年目はまだ残り半年以上ありますが?」

「そうですね。僕は、みんなに迷惑をかけてしまいましたが、本当に良い経験をさせてもらったと思っています。失敗したことは事実ですが、あの時気がつかなければ、もっとひどいことになっていたのかもしれません。
でも今僕は、年度当初のやる気を失ってはいません。僕に後輩ができたら、是非この経験を話してあげようと思います。そして僕が救われた先輩からのメールがあるように、後輩たちに何かしてあげられたらと思います。」

2年目を乗り越えろ! 中林康博
 

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